川嶋 守彦 展 「対様をみる」Morihiko Kawashima Exhibition

2025.5.6(火)~5.18(日)開廊:12:00~19:00(月曜休廊・最終日17:00まで)




前回のLADSギャラリーでのタイトル「たいようをみる」の「たいよう」に重ねて「対様」と言う当て字を付けました。態様や様態は辞書にも載っていますが「対様」は記載のない造語です。しかし、なんとなく意味は伝わって来ると思います。対(つい)のありさまかもしれないし、対(たい)するありようかもしれません。言葉は複数の入れ子になっていて、様々な意味や発語が出入りすることができる民族的な器が言語の本質であるなら、この「対様」は「たいよう」と言う発語だけを内包させ、意味を固定させていない新造語と考えて下さい。
今回の新作は二つのキャンバスが一つの作品になっています。
それぞれ個別に距離を取って配置すれば、二つの作品にもなるが二つを接着すれば一つの作品と認識されるし、はたまた壁面に依らず立体的な配置をすれば、彫刻的な見え方にもなりうるかもしれない。二つのキャンバスの距離や角度、色彩などで変化する言語の器のような絵画の「状態」と「状況」を最小限の方法で表現できないだろうか。

この展覧会では絵と彫刻との間を意識して制作しました。互いに揺れ動き固定化されない交換と拒絶の有り様、対様(たいよう)の観測地点として捉えて頂いても面白いかも知れません。

川嶋守彦